株式会社ISAO、OSSデータベースを利用した課金決済システムをEDB Postgresで再構築

ISAO

1999年に創業、2010年に豊田通商株式会社の100%出資子会社となった株式会社ISAO様(以下、同社)。同社は、「“たのしい!”をうみだしとどける」という理念のもと、デジタルコンテンツ流通を支援するという立場から各種ソリューションを展開。サービス企画・開発や課金・決済代行、サーバ構築・運用、カスタマーサポートといった事業を手がけています。

2013年、同社は予期せぬ課金決済システムの論理障害に見舞われました。これに衝撃を受けた同社では、システムを見直し、 安全性や信頼性を強化することを決意。このプロセスで、同社はオープンソース型の管理システム(DBMS)の採用を決めました。このシステムのため、同社はエンタープライズDB®(EDB™)のEDB Postgresのパフォーマンスを調査し、採用決定しました。同社はEDB Postgresは、要求に応じた莫大なデータ量を迅速にサポートすることが可能だと判断したのです。

課金決済システムへのオープンソース導入に関して、当初は懸念事項がありました。「EDB Postgresを調べている時に、他社の事例を見ました。EDB Postgresの他社での優れたパフォーマンスを見て、EDB Postgres ならコアデータベースシステムとしてでも、我々の新システム導入をサポートできると確信し、導入に至りました。」と、ペイメントソリューションプロジェクト責任者は語っています。

Postgres パートナ エコシステム

同社の課金決済システムは、2013年に論理障害でダウンするまで常に円滑に稼働していました。そしてシステムの重要性と予期せぬ論理障害によって、ISAO様は外部の専門知識を求めるに至りました。ペイメントソリューショングループのプロジェクト担当者は、「システムの修復がされるまでサービスが稼働せず、お客様には大変なご迷惑をおかけしてしまいました。システムをこのままにしておいてはいけないと考え、以前取引のあった富士通マーケティングさんに相談しました。結果として、PostgreSQLをベースとするEDB Postgres Advanced Serverに詳しい、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通 SSL)さんにお世話になりながら、システムの再構築を検討し始めました。 」と、語っています。

富士通 SSLは日本の一流テクノロジーシステムインテグレーターであり、EDBのパートナーです。EDBはオープンソースのPostgreSQLデータベースの強化版を、エンタープライズクラスのパフォーマンス、セキュリティ、管理機能、Oracle互換性と共に提供します。EDBはまた、富士通 SSLのように専門的なPostgresパートナーのビジネスエコシステムをお客様に提供します。

ディザスター・リカバリーと高可用性を持つ最新のアーキテクチャ

この課金決済システム再構築にあわせて、サービス切り替え時間の短縮、バックアップや リカバリー時間の短縮、さらには二重障害が発生しても、データを確実に復元する。これらの改善を目指し、課金決済システムの再構築に踏み切りました。

同社では先のトラブルでの反省をふまえ、「サービスの止まらないシステム」を要望。これを受けて富士通マーケティングは、「どんなトラブルが起こっても瞬時に復旧できるシステム」の提案を行いました。ただし、この提案はハードウェアの導入まで含めた大がかりなものであったため、最終形が完成するまでに約10ヶ月かかる見通しでした。その間、サービスを止めていては、顧客の理解は得られません。そこで同社、富士通マーケティング、富士通 SSL で検討を重ねた結果、段階を分けてリリースすることにしました。

まずステップ 1として、現時点ですぐに改善できる問題、例えばバック アップ周期の見直しといった点から着手します。次のステップ 2 では、アプリケーション構成を変更し、リスクを分散することによって安全性を確保し、リカバリー時間の短縮、確実性の向上を実施。そして最終形のステップ 3 では、冗長構成を実現。物理障害と論理障害、どちらが発生しても瞬時に復旧できる上、二重障害への対応が可能になる…という流れです。

「三段階のプロセスを用いることにより、全体的な導入が拡大されたかもしれませんが、改善策を徐々に提供することにより、お客様に安心してもらうことができましたし、長期間にわたってシステムの中断もありません。」と、プロジェクト責任者は語っています。

長期的パートナサポート

「『EDB Postgres』なら、OSSでも商用データベースと同程度の品質が担保できると判断しました。それに、PostgreSQL 以外の周辺ツー ルへのサポートも受けられます。弊社ではシステム上のあちこちで特殊なソフトウェアや技術を使っているのですが、富士通SSLの担当者の方はそれらの周辺ツールを上手くまとめあげ、 現在の最終形を構築していただきました。」とプロジェクト担当者は語ります。「皆さんのお力があって、お客様やすべてのエンドユーザーが同意するような安全性の高い支払いシステムを構築することができたと思っています。」

最後に、今後の期待をこめて、以下のようなメッセージを寄せてくださいました。「これまで弊社はほぼ独力でビジネスを展開してきましたが、やはりいざというときのためにも、信頼の置けるプロの技術者集団がパートナーとしていてくれたらという思いがあります。富士通には、弊社の相談相手として悩みを 聞いてくれたり、こうしたらもっとよくなるという提案をしてくれたりと、様々なかたちで助けていただければと願っています。」

富士通ソーシアルサイエンスラボラトリの公共ビジネス本部 第3課 佐藤 誠氏は、「株式会社 ISAO 様の課題を解決するため、『Postgres Plus』適用案件に携わらせていただけたことを大変嬉しく思っております。ISAO 様のご協力をいただき、サービスへの影響を 最小限に抑えた移行の実施や、より信頼性・安全性が強化されたシステムの実現が出来た と思っております。今後も、ISAO 様のサービ ス拡大に繋がるよう、よきビジネスパートナーとして、OSS 技術を核に、ご支援させていただきたいと考えております。」と語っています。

[出典:米国EDB公式ホームページ]


▼ 出典URL
https://www.enterprisedb.com/customers/isao-corporation-rebuilds-payment-system-edb-postgres

▼ 日本語版PDFダウンロード
https://edbjapan.com/wp-content/uploads/2017/09/ISAOA4_jp_new3.pdf