【製品情報】Postgres Enterprise Manager(PEM)10.3.0
音声ガイド
概要
1. PEM(Postgres Enterprise Manager)とは
Postgres Enterprise Manager (PEM) は、EnterpriseDB (EDB) によって構築された包括的なデータベース設計および管理システムです。単一のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を通じて、複数の Postgres インスタンスを監視、管理、分析するように設計されています。オープンソースの pgAdmin 4 プロジェクトをベースにしており、エンタープライズ環境向けの拡張機能を提供します。EDB Postgres Advanced Server (EPAS)、PostgreSQL (PG)、および EDB Postgres Extended Server (PGE) をサポートしています。
2. PEMの導入メリット
PEM は、標準的なオープンソースツールと比較して、以下のようなエンタープライズグレードのメリットを提供します。
- 大規模環境の管理: 地理的に離れた場所にある多数のサーバーを単一のコンソールから管理できるように設計されています。
- プロアクティブなアラート: 主要なメトリクス(ストレージ、メモリなど)に対して事前定義およびカスタムのしきい値を設定し、24時間体制で監視します。パフォーマンスが低下する前にアラートをトリガーします。
- パフォーマンスチューニング: 非効率な SQL コードをトレースして最適化する SQL Profiler や、待機イベントを分析する Performance Diagnostics などのツールが含まれています。
- キャパシティプランニング: Capacity Manager が過去の使用統計を分析して将来のリソース要件を予測し、予算編成や計画策定を支援します。
- セキュリティと監査: 監査ログの構成と表示を行う Audit Manager や、ログの収集と分析を一元化する Log Manager を備えています。
- グラフィカルな管理: コマンドラインアクセスを必要とせず、サーバーの起動/停止、設定、オブジェクト作成を視覚的に管理できます。
3. PEMの主なユースケース
PEM は、組織が以下のようなニーズを持つシナリオで最適に活用できます。
- 高可用性(HA)クラスタの監視: EDB Failover Manager (EFM) や Patroni によって管理されるクラスタを可視化・監視し、フェイルオーバーイベントやノードの健全性を追跡する場合。
- 混在環境の管理: Linux や Windows プラットフォーム上で、コミュニティ版 PostgreSQL と EDB Postgres Advanced Server のインスタンスが混在する環境を管理する場合に最適です。
- セキュアなデータ環境: 厳格なセキュリティコンプライアンス(FIPS環境など)や、データベースアクセスやクエリの詳細な監査証跡を必要とする組織での利用。
- ワークロードの最適化: 統合された診断およびプロファイリングツールを使用して、実行の遅いクエリやシステムのボトルネックを特定する場合。
4. メリットを実現するPEMの仕組み
PEM は、その機能を提供するために3つの主要コンポーネントで構成される分散アーキテクチャを採用しています。
- PEM サーバー: 中央リポジトリとして機能します。監視データ、アラート履歴、設定情報を保存するバックエンドの Postgres データベースと、インターフェイスをホストする Web サーバーで構成されます。
- PEM エージェント: 各監視対象ホストにインストールされる軽量なエージェントです。これらのエージェントは Probes(プローブ)(スケジュールされたタスク)を実行してメトリクス(CPU 使用率、ディスク I/O、データベース統計など)を収集し、PEM サーバーに送信します。また、バックアップやサーバーの再起動などの管理タスクも実行します。
- PEM Web クライアント: PEM サーバーに接続するブラウザベースのインターフェイスです。ユーザーはダッシュボードの表示、アラートの設定、データベースオブジェクトの管理を行うことができます。
- コネクションプーリング: PEM は PgBouncer を利用して接続プーリングを管理できます。これにより、数百のエージェントを管理する場合でも、監視インフラストラクチャの効率を維持できます。
5. バージョン 10.3.0 の新機能
リリース 10.3.0(2025年11月リリース)では、以下の主要な機能強化と修正が導入されました。
- プロファイル管理: 事前定義されたプローブとアラート設定を含む「プロファイル」を作成・管理し、複数のエージェントやサーバーに割り当てる新機能です。これにより一括管理が簡素化されます。
- FIPS コンプライアンス: パスワード保存の暗号化に、新しい FIPS 準拠の暗号化モジュール (SHA256) を実装しました。
- SSL の柔軟性: 設定中に SSL 証明書の自動生成を抑制する新しいオプションが追加されました。これにより、ユーザー独自の外部 SSL インフラストラクチャを容易に利用できるようになります。
- 新しいロール: 特定のツール(query_tool、schema_diff_tool、debugger_tool など)へのユーザーアクセスを制御するための、きめ細かな Postgres ロールが追加されました。
- EFM アラート: EFM クラスタの健全性に関する組み込みアラートテンプレートが追加されました(例:「EFM Fewer Than N Nodes Active」、「EFM Agent Down」、「EFM Missing Primary」)。
- 自動ブラックアウト: アラートノイズを防ぐため、48時間到達不能なサーバーまたはエージェントを自動的にブラックアウト(監視停止扱い)するようになりました。
Postgres 18 のサポート: Postgres 18 の監視サポートが追加されました。
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