【製品情報】pgAdmin4 9.9
音声ガイド
1. pgAdmin 4とは?
pgAdmin 4は、PostgreSQLデータベース向けの主要なオープンソースのグラフィカル管理・運用ツールです。初心者から経験豊富なデータベースユーザー、開発者、管理者まで、あらゆるユーザー向けの包括的なプラットフォームとして設計されています。
Webブラウザ上で動作する強力なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供し、データベースオブジェクトの作成、保守、使用のプロセスを簡素化します。ローカルのデスクトップアプリケーションとして、または複数ユーザー向けのWebサーバーとして展開される場合でも、PostgreSQLサーバーと対話するための一貫性のある機能豊富な環境を提供します。
2. pgAdmin 4の利点とメリット
pgAdmin 4は、コマンドラインツールや他のデータベースクライアントに比べて多くの利点があります。
- 包括的なデータベース管理: テーブル、ビュー、関数の作成から、ユーザー、ロール、権限の管理まで、データベースのライフサイクル全体を管理するための完全なツールセットを提供します。
- 高度な開発者ツール: 開発に不可欠な強力なツールが含まれています。シンタックスハイライト付きのフル機能SQLクエリツール、データベースモデリング用のERD(エンティティ・リレーションシップ・ダイアグラム)ツール、データベースを比較・同期するためのスキーマ比較(Diff)ツール、サーバーサイドコードをステップ実行できるPL/pgSQLデバッガーなどがあります。
- 柔軟なデプロイオプション: pgAdmin 4は複数のモードで実行できます。
- デスクトップモード: Windows、macOS、Linux向けの自己完結型アプリケーション。
- サーバーモード: Webサーバーにデプロイし、複数ユーザーが中央のpgAdminインスタンス経由でデータベースにアクセス・管理可能。
- コンテナでのデプロイ: Dockerを使用して簡単にデプロイでき、合理化された隔離環境を実現。
- モダンで使いやすいインターフェース: ドラッグ&ドロップ可能なパネル、マルチタスク用のタブ付きブラウザ、データベースオブジェクトを簡単にナビゲートできる明確な「オブジェクトエクスプローラー」ツリーなど、カスタマイズ性の高いWebベースのインターフェースを備えています。
- セキュアでマルチユーザー対応: サーバーモードには堅牢なユーザー管理機能、複数の認証方式(LDAP, Kerberos, OAuth2)、二要素認証(2FA)がサポートされており、エンタープライズ環境に適しています。
3. pgAdmin 4の仕組み
pgAdmin 4は、バックエンドにPythonとFlaskフレームワーク、フロントエンドにHTML5とReactJSを使用したWebアプリケーションとして動作します。
- 接続: ユーザーはまず、ホスト、ポート、ユーザー名、パスワードなどの詳細情報を提供してPostgreSQLサーバーへの接続を定義します。これらの接続は保存され、左パネルのオブジェクトエクスプローラーツリーに表示されます。
- 操作: ユーザーはこのツリーを介してデータベースを操作します。ノードを展開することで、データベース、スキーマ、テーブル、関数などのオブジェクトをナビゲートできます。
- 処理: オブジェクトを右クリックすると、そのオブジェクトの作成、プロパティ表示、変更、削除などのオプションを含むコンテキストメニューが開きます。これらの操作は通常、右側のタブ付きブラウザパネルでダイアログとして開かれます。
- クエリ実行: クエリツールは中心的な機能で、ユーザーはアドホックなSQLコマンドを記述・実行できます。結果はエディタの下のデータグリッドに表示され、実行計画、サーバーメッセージ、通知用のタブも含まれています。
- バックグラウンドプロセス: バックアップ、リストア、メンテナンスなどの時間のかかるタスクは、バックグラウンドプロセスとして実行されます。ユーザーはプロセスタブでこれらのジョブのステータスやログを監視できます。
4. pgAdmin 4のユースケース
pgAdmin 4は、さまざまな専門家が多様なタスクに使用する汎用性の高いツールです。
- データベース管理者(DBA)向け:
- ユーザー、ロール、権限の管理
- バックアップおよびリストア操作の実行
- VACUUM、ANALYZE、REINDEXなどのメンテナンスタスクの実行
- ダッシュボードを通じたサーバーアクティビティ、セッション、ロックの監視
- テーブルスペースやリソースグループなどのクラスターレベルオブジェクトの管理
- データベース開発者向け:
- グラフィカルなERDツールを使用したデータベーススキーマの設計
- クエリツールでの複雑なSQLクエリの作成、テスト、実行
- PL/pgSQLデバッガーを使用した関数、プロシージャ、トリガーの作成とデバッグ
- スキーマ比較ツールによる異なるデータベース/スキーマバージョンの比較と同期スクリプトの生成
- データアナリスト向け:
- 直感的なオブジェクトエクスプローラーによるデータベース構造の探索
- データのクエリ実行と、ソート・フィルタリング可能なグリッドでの結果表示
- クエリ結果をCSV形式でエクスポートし、他のツールでさらに分析
- クラウド運用担当者向け:
- Amazon RDS、Azure Database、Google Cloud SQLなどのクラウドプラットフォーム上で、組み込みウィザードを通じて新しいPostgreSQLインスタンスを直接デプロイ・管理
5. バージョン9.9の新機能
このリリースは、バージョン9.8を基にしたマイナーアップデートであり、バグ修正といくつかの新機能が含まれています。
- サポート対象のデータベースサーバー:
- PostgreSQL: 13, 14, 15, 16, 17
- EDB Advanced Server: 13, 14, 15, 16, 17
- バンドルされているPostgreSQLユーティリティ:
- psql, pg_dump, pg_dumpall, pg_restore のバージョン17.5を同梱。
- 新機能:
- Issue #6394: 範囲型(Range Type)の作成時に、対応する複数範囲型(multirange type)の名前を指定できるMULTIRANGE_TYPE_NAMEオプションが追加されました。
- Issue #6395: 外部型(External Type)の作成時に、より詳細な制御を可能にするSUBSCRIPTオプションが追加されました。
- 主なバグ修正:
- Issue #9158: 新しく変更した設定を保存しても、設定タブに即座に反映されない問題が修正されました。
- Issue #9125: 外部データベースを使用して新規インストールした場合に、pgAdminの設定データベースが正しく作成されない問題が修正されました。
- Issue #9157: 複数のキーボードレイアウトでショートカットが期待通りに動作しない問題が修正されました。
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