【製品情報】Postgres Enterprise Manager(PEM)10.2.0
音声ガイド
1. Postgres Enterprise Manager(PEM)とは何か?
Postgres Enterprise Manager(PEM)は、EDBが提供する包括的な管理および監視ツールで、エンタープライズレベルのPostgreSQLおよびEDB Postgres Advanced Serverデータベースの管理用に設計されています。このツールは、オンプレミスまたはクラウド環境にある複数のPostgresサーバーを単一のグラフィカルWebインターフェースで管理、監視、およびチューニングする機能を提供します。
文書に記載されているように、PEMは「初心者と経験豊富なPostgresユーザーの両方のニーズを満たすように設計されており、データベースオブジェクトの作成、保守、使用を簡素化するための強力なグラフィックインターフェースを提供します」。オープンソースのpgAdmin 4プロジェクトに基づいていますが、監視、通知、パフォーマンス分析のためのエンタープライズクラスの機能に拡張されました。
2. PEMの仕組み(アーキテクチャ)
PEMは、複数のコアコンポーネントが連携するクライアント – サーバーアーキテクチャに基づいています。
- PEMサーバー: 中央コンポーネントとデータストア。すべての監視データ、統計、設定情報を格納するPostgreSQLデータベースインスタンス(PEMバックエンドデータベース)と、PEM Webクライアントを提供するWebサーバー(NginxまたはApache HTTPD)で構成されています。
- PEMエージェント: 監視する各ホストにインストールされる軽量プログラム。このエージェントは、ホストオペレーティングシステムとその上で実行されているPostgresインスタンスからパフォーマンスデータと統計(「メトリック」と呼ばれる)を収集する役割を果たします。 プローブというスケジュールされたタスクを実行してこのデータを収集し、保存および分析のためにPEMサーバーに送信します。単一のエージェントがホスト内の複数のデータベースインスタンスを監視できます。
- PEM Webクライアント: Webブラウザを介して接続するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)。 PEMサーバーに接続して、ダッシュボード、チャート、設定ツール、通知管理機能を提供し、管理者はパフォーマンスデータを視覚化し、Postgres資産全体を管理できます。
- SQLプロファイラ: 監視対象の各データベースインスタンスで有効にする必要があるオプションの拡張機能。非効率的なクエリを識別して最適化するために、SQLワークロードの詳細な追跡と分析を可能にします。
本質的に、環境全体にデプロイされたエージェントはデータを収集して中央PEMサーバーに送信します。その後、管理者はPEM Webクライアントを使用してサーバーに接続し、統合データを確認し、通知を管理し、登録されているすべてのデータベースを管理します。
3. PEM導入と使用の利点
ドキュメントによると、Postgres環境にPEMを導入すると、次のようないくつかの重要な利点が得られます。
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- 一元管理: 地理的に分散された複数のPostgresサーバーを単一のグラフィックコンソールで管理および監視することで管理を簡素化します。
- 先制的な警告: CPU、メモリ、ディスク容量、または特定のクエリパフォーマンスなどのコアメトリックのパフォーマンスしきい値を生成できます。 PEMは、このしきい値に違反した場合に先制的に通知を生成し、DBAが問題が深刻になる前に問題を解決できるようにします。
- エンタープライズクラスのパフォーマンスモニタリング: 過去のデータ、リアルタイムダッシュボード、サーバーセッションとトランザクションからタプル統計、ブロックI / Oまで、すべてをグラフィカルに分析して、サーバーパフォーマンスに関する深い洞察を得ることができます。
- 管理とチューニングの合理化: 次のようなタスクを含む、他の方法では複雑なコマンドラインタスクが必要な場合があるタスクをグラフィカルツールを使用して実行できます。
- 容量計画: 過去のデータを分析して傾向を特定し、将来のリソース要件を予測します。
- 監査管理: EDB Postgres Advanced Serverの監査ログを設定して照会します。
- ログ管理: サーバーログを集中的に設定して収集します。
- SQLプロファイリング: SQLワークロードを簡単に追跡して分析し、パフォーマンスの低いクエリを見つけてチューニングします。
包括的なツール: 完全なSQL IDE、デバッガ、およびスキーマ比較ツールが統合されており、管理と開発の両方にワンストップソリューションを提供します。
4. Postgres Enterprise Manager 10.2.0 の新機能
ドキュメントの10ページのリリースノートには、バージョン10.2.0の主な新機能、改善点、および変更点がまとめられています。
主なハイライト:
- フェールオーバーイベント用の新しい通知: EFM(EDB Failover Manager)およびPatroniクラスタのフェイルオーバーイベントの組み込み通知が追加され、高可用性イベントが発生したときに即時通知を提供します。
- 冗長通知の自動無効化: プライマリ/スタンバイクラスタで発生する通知ノイズを減らすために、「Last Vacuum」および「Last AutoVacuum」関連の通知がレプリカノードで自動的に無効になります。
- FIPSサポート環境サポート: PEMは、連邦情報処理規格(FIPS)準拠の環境で実行できるようになりました。 FIPSが有効になっているOpenSSLでは利用できないMD5ハッシュライブラリへの依存関係が削除されました。
- EDB Postgres Distributed 6モニタリングのサポート: 最新バージョンのEDB Postgres Distributedを監視するための新しいプローブとアップデートが追加されました。
その他の注目すべき改善点:
- モニタリングパネルの動的命名:モニタリングパネルのタブには、そのパネルの内容に基づいて説明的な名前が表示され、複数のパネルが開いているときにナビゲーションが簡単になりました。
- アップグレード時のSSL設定の保存: アップグレードまたはリセット時にカスタムSSLポート、証明書パス、およびServerName設定が上書きされずに保持されます。
- 動作の変更: 混乱を与えたheartbeat_interval 設定がheartbeat_tolerance に名前が変更されました。これは、エージェントがダウンしていると見なされるまでハートビートを待つ時間を定義する機能であることをより明確に示しています。
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